私が車の免許を取得したのは4年前の29歳のとき。我が家で車を所有したのが30歳になってから。その時点で妊娠後期であり、お医者さんから車の運転を控えるように言われていたので、免許取得からほとんど車の運転をすることなく月日が流れてしまった。
最寄りの小児科へは歩いて20分程。気候がいい時期ならいいが、炎天下や極寒の中ベビーカーで、体調を崩している幼い我が子を病院に連れて行くのはあまりにも酷ではないかと思い、運転と駐車の練習に踏み切ることにした。
うちの車は、ローンを組みたくないのでニコニコ一括払いした中古車だ。バックモニターは付いていないし、サイドミラーの角度を変えるスイッチが壊れていて、駐車の際に白線を確認する為の角度の調節ができない。走行自体に問題はないのだが、私のようなペーパードライバーのお助けアイテムに一切頼れないのが辛い仕様の車であることは間違いない。
とりあえず、平日のなるべく交通量の少ない時間帯を狙って、車で20分ほどの広い駐車場がある公園に毎日通った。なるべく人気の少ない場所で何度も何度も切り返しながら、駐車場に出たり入ったりを繰り返した。
それでもあまり上手くならないので、YouTubeでプロのレーシングドライバーが駐車の仕方を教えている動画を発見したので見てみるも「バックモニターの線をここに合わせてバックすると綺麗に停められます」とバックモニター有りきの説明しかしていなくて落胆した。同時に「レーシングドライバーやったらそんな文明の利器に頼らんで停めなはれや！！レーシングもパーキングも極めんかい！！」とその見ず知らずのレーシングドライバーにひとりでキレ散らかしてしまい、今に至る。
運転は苦じゃないが、いざ駐車となると何度も出たり入ったり切り返して、ようやく歪みながらもなんとか停められるレベルなので、立体駐車場とかは極力行きたくない。以前、どうしても私一人で市役所に行かなければならない用事があり、そこの立体駐車場で出たり入ったりを繰り返していると、後ろが大渋滞していて焦って変な汗をかきまくり、結局そこに停めるのを諦め、逃げるように誰もいない最上階まで登ってゆっくり駐車したことがある(最初からそうしとけよ)。恐ろしくてもう二度と行きたくない。
憧れの車はルノーのカングー。なんて愛らしいお顔をしているんだろう。現行のジムニーも好き。
今日は、電気工事士の資格を持っている私の弟に、来月引っ越しする家で工事が必要な箇所があるかどうか確認してもらう為に、その家まで弟を乗せて車で行ってきた。着くと不動産屋さんと施工業者さんが家の前に立っていた。
カーポートに一台分車が停められるスペースがあったが、勝手に停めていいのかわからなかったので、家の前に何回も切り返して幅寄せして停めたものの、家から出てきた家主さんから「カーポートの中に停めてください」と言われたので、また停め直すことになった。
駐車スペースはそんなに広くなかったが、そう言われたらやるしかない。最初に思い切ってバックで入れたものの、隣に停めてあった家主さんの車にスレスレ。これじゃいかんとまた前に出て、切り返してバックで戻る。それを外で黙って見ている家主さんたち。
「駐車へったくそやなー！見てられへんから代わったるわ！」とか誰が言ってくれたら楽になるのに、私が変な汗をかきながら何度も切り返して駐車場から出たり入ったりしているのを、家の外で真顔で静かに見つめている成人男性4人。アラサーペーパードライバー女の地獄の時間である。頼む。誰か一人でもいい。代わってくれんでもいいからせめて誘導してくれ。ハンドルをどっちにどれだけ回したらいいか教えてくれ。黙視すな。可哀想なものを見る目でこっちを見るな。(被害妄想)
結局何度も切り返したくせに家主さんの車とスレスレ状態で駐車した。一刻も早くこの時間を終わらせたかった。どこにもぶつけなかっただけ褒めてほしい。
その後、用事を終え、帰ろうとしたときに不動産屋さんから「次の打ち合わせまでに市役所で必要書類を取ってきてください」と言われた。
マジかよ。またあの立体駐車場に行かなあかんのか。さっきもう二度と行きたくないって言ったところやぞ。
いつになったら駐車上手になれるのかしら。駐車マスターへの道はまだまだ長そうだ。
そういや自動車学校の話もしたいな。なかなか濃い学校生活だったので、またの機会に書いてみます。
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