【育児】子育亭プリキュア師匠
日曜日、公園で息子を遊ばせていると、小学校4年生くらいの元気な女の子四人組が、結構激しめの鬼ごっこをしていた。
最初は息子が遊んでる複合遊具(滑り台とかうんていが一緒になっているようなタイプの遊具)から離れたところで鬼ごっこをしていたので、微笑ましく見ていたのだが、次第に複合遊具でそれが行われるようになり、息子にぶつからないように気を付けてくれてはいるものの「ちょっと危なっかしいな」と思いながらも、それを見守っていた私。
鬼ごっこは次第に激しさを増し、一人の女の子が本来上ってはいけない場所だと思われる高い屋根の上に登って、遊具の中に向かって飛び降りたりしだした。これは危ないと感じた私は、その中で遊び続ける息子を避難させようとすると、どこからともなく少女の声が聞こえた。
「ちょっと!小さい子がいるんだから、そんな遊び方したら危ないでしょう」
鬼ごっこをしている女の子たちと同じくらいの年齢の少女が二人、息子を庇うように遊具に駆け寄ってきてくれた。
突然現れた同年代の女の子に注意をされて、完全に面食らっていた鬼ごっこ少女たち。遊びに水を差されて気を悪くしたようで、仲間同士でこそこそと悪口を言い始める。この光景、私も子供の時に見たことあるなぁ。
「なに?言いたいことがあるなら面と向かって言いなよ」
「そうだよ、この子がケガしたらあんたたちどうするつもりなの?」
4人グループの陰口に全くひるまずに立ち向かう二人組の少女。小さき弱き者を守る二人の凛とした姿。プリキュアはここにいた。
居心地が悪くなり、公園を後にする鬼ごっこ少女たち。その様子におろおろしてる保護者34歳。いい年こいた大人なのになにもできなかった自分が情けない。私が早めに息子を遊具から引き離していれば、少女たちはお互い平和に遊び続けられたのかもしれない。ごめんね、双方の少女たち…
「お姉さん、こんにちはー」
公園に流れる気まずい空気を全く感じてなさそうな息子は、自分を庇ってくれたのを知ってか知らずか、プリキュアお姉さんに挨拶をする。
「あはは!こんにちは!ぼく、大丈夫?怖くなかった?」
「よかったら私たちと一緒に遊ぶ?」
なんと、息子と一緒に遊んでくれるというプリキュアたち。天使か。
「あそぶー!!一緒に滑り台するー!!」
秒でプリキュアに心を開く息子。その様子を微笑ましく見守りつつも、二人で公園に遊びに来たはずのプリキュアたちのご厚意に、こんなに甘えていいのだろうかとソワソワする保護者34歳。
「次はブランコするー!」「鉄棒するー!」とコロコロやりたいことが変わる息子に「いいよ!一緒にしようね!」と付きっきりで遊んでくれる二人。楽しそうにしてくれてる様子を見て、もう少し見守っていることに決めた私。
プリキュアは息子がやりたい遊びを尊重して付き合ってくれるうえに、できたことに「やったね!」と一緒になって喜びを共感してくれている様は、モンテッソーリ教育の育児書に書かれていることを体現化してるように見えて、親としてとても勉強になった。彼女たちの方が私より遥かに子育てが上手な気がする。危ない遊びをしていた女の子たちにもきちんと注意してたし。もはやプリキュア師匠である。子育亭(こそだてい)プリキュア師匠。弟子入りさせてください。
師匠のあまりの仕事(?)ぶりに惚れ惚れしていると、雨がぽつぽつと降りだした。
「雨だ!ぼく(息子)、風邪ひいちゃうからそろそろ帰ろうか」
「私たちも帰るね。また遊ぼうね!」
そう言って息子に手を振る師匠たち。
「お姉ちゃん、ばいばーい」
名残惜しそうに手を振る息子。
「この子といっぱい遊んでくれてありがとう、気を付けて帰ってねー!」
34歳ゆえ口調は砕けているが、心の中では精いっぱいの敬意を払って師匠に手を振る私。
軽く会釈をして去っていく師匠たち…
なんて強くて優しくていい子たちだったんだろう。
師匠みたいな素晴らしい子がいてくれるから、日本の未来はきっと安泰だ。
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