【育児】てんとう虫おじさん

ここのところ息子は100均の虫取り網で、いろんな昆虫を捕まえることにハマっている。

今の季節はチョウやテントウムシが息子の主な獲物となっている。

 

今までは網で捕まえて、手に取ったあと即逃がすキャッチ&リリース方式を採用していたが、逃がした後に「もっとよく見たかったー!」と泣くので、ホームセンターで虫籠を買ってあげた。

…のも束の間、買ったばかりの虫籠を首からぶら下げ、その中に捕まえたチョウを5匹くらい入れて虫取りに興じていた息子であったが、チョウを追いかけているときに転び、その衝撃で虫籠が割れて、中にいたチョウが「ファー」と四方八方に飛んでいった光景は、息子には申し訳ないが流石に笑ってしまった。

 

幸い息子も怪我をせずに済んだので、家に帰ってバキバキに割れた買ったばかりの虫籠をボンドやグルーガンで補修して、翌日からも無理やり使用している。

 

今日も息子のリクエストに応えて、近所の公園で虫取りをした。今日出会ったチョウはみんなすばしっこく、一匹も捕まえられなかったので、獲物をテントウムシに定めて集中的に捕まえることにした(私が)

草むらを探してみると、小一時間で10匹ほどのナナホシテントウナミテントウを捕まえることができた。虫籠にうじゃうじゃいるテントウムシに息子も大喜び。

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そんな我々を見て「なに捕まえとんのや?」と散歩中のおじいさんが声を掛けてくれた。

「みてみてー、テントウムシ、いっぱいとったよー」と息子が首から下げた虫籠をおじいさんに見せると「おお、テントウムシ好きなんか。ええのぅ」と目を細めながらそのまま去って行ったおじいさん。息子と二人で遊んでいるときに、こうやって優しく話しかけてくれる方の存在はありがたい。

 

しばらく観察したので「テントウムシさん、そろそろ籠から逃がしてあげようか」と息子に声をかけるも「いや!家に持って帰ってたまごボーロあげる!押し入れの中に逃がす!」と滅相もないことを言い出すので、テントウムシの主食はたまごボーロではなくアブラムシであること、押し入れの中にはテントウムシが生きるのに必要な要素が皆無であることを懇々と伝えると、ようやく納得してくれてすべて逃がしてくれた。

 

公園を後にしようとすると、背後に迫りくる人の気配を感じた。

「おー!よかった、まだおったわい!」

振り返ると先ほどのおじいさんが自転車でこちらに近付いてきていた。空気をパンパンに入れたビニール袋を持っている。

 

「ほれ、坊や、お母さん。テントウムシや!籠に入れたろ!」

おじさんに手渡された袋の中には、テントウムシが20匹くらい蠢いていた。

 

Oh…さっき苦労して逃がしたやつ…

 

優しいおじいさんのご厚意を無下にできないので「ありがとうございます~!いや~大漁だぁ~!」と言いながら、さっき空にしたばかりの虫籠にテントウムシの大群を入れる。

 

テントウムシいっぱいでよかったなぁ、坊や!うちの庭にようけおるんよ。気にせんでええぞ~!」

そう言い残し、おじいさんはまた自転車で颯爽と帰っていった。

 

おじいさんの背中が見えなくなるのを確認し「おじいさんの優しい気持ちはありがたく頂こうね。おうちに帰らなきゃいけないし、このテントウムシさんとももうバイバイしよう…」と、ほぼ独り言のように息子に話しかけ「ありがとう…ありがとう…」と唱えながら、貰ったばかりのテントウムシをまた一匹ずつ草むらに解き放つ。所帯じみたナウシカ誕生(ええように言うな)

 

やっと全てを逃がし、再び帰路に着こうと公園を後にする。ありがとうおじいさん。短い間だったけど、大量のテントウムシを見れて、息子も私も嬉しかったよ…

 

しばらく歩いていると、また背後からこちらに迫る自転車の気配を感じとった私。

 

まさか…

 

 

振り返るとそこには、再び袋に数匹のテントウムシを入れたおじさんが、満面の笑みで我々を追いかけてきていた。

「お母さ~ん!坊や~!またまたテントウムシ捕まえたぞ~!」

 

 

 

 

(追加で頂いたテントウムシは家まで連れて帰り、花壇にリリースしました。クリックお願します)