子供の頃から何度も足を運んだ地元の水族園、神戸市立須磨海浜水族園(以下スマスイ)が2023年5月31日をもって閉園するため、最後のお別れをするため、家族で足を運んだ。
閉園後は民営化し「神戸須磨シーワールド」として、建物は全て建て替えられ、展示する生物と規模と入場料を大幅に増量して翌年リニューアルオープンするそう。なんでも西日本で唯一シャチが見れる水族館になるらしい。大型海獣好きにとっては喜ばしいことであるが、やはり子供の頃から慣れ親しんだ施設が跡形も無くなってしまうのは、寂しいし切ない。
神戸市在住の小学生には、提示すると神戸市立の施設が無料で入場できる「のびのびパスポート(通称のびパス)」というものが配布される。それを利用して、何度も行った思い出の場所である。高学年にもなると、子供だけでバスと電車を乗り継いで友達同士で遊びに行ったりもした。
今は改装中のため、昨年から本館しか開放していないのだが、イルカショーが観れる劇場や、アマゾンに生息する生き物を集めたアマゾン館、当時は西日本で唯一展示していたラッコ館、遊園地が併設されていたりなど、一度入園すると一日遊べるくらい見所が多い水族館だった。
小学生の頃、イルカショーのときにステージに上げてもらい、イルカに握手してもらったり頬にキスしてもらった。その後しばらく頬が生臭かったが、それよりもイルカ触れたことが嬉しくて、その日は興奮してなかなか眠れなかったことを覚えている。
ここ十数年の間では、園内でイルミネーションやプロジェクションマッピングをしていたことがあり、友達や結婚前の夫と何度か観に行った。水族園なのに何故か猿まわしをしていたりもしたが、そういうなんでも取り入れる柔軟なところもスマスイの良さである。
イワシを見る息子
そんな思い出がいっぱいのスマスイをいつまでも忘れたくない。ちょこちょこと動き回る息子と格闘しつつ、施設内をぐるぐる回ってスマスイの佇まいを胸に刻んだ。昔から変わらない水槽に悠々と泳ぐ魚たち。彼らは新しい施設でも引き続き会えるんだろうか。
所々に見られる「お別れまであと1日」とか「さようなら、ありがとうございました」と書かれた展示物が切なかった。
出口付近の「また来てね」も物悲しかった。今住んでいる場所からもアクセスしやすいので、リニューアル後も息子を連れて訪れると思うが、それはもうスマスイではない。莫大な資金を投じて民営化されるため入園料も高額になる上に、のびパスの恩恵も得られなくなり、地元の子供たちが気軽に足を運べる場所ではなくなってしまう。近くにあるのに行けなくなってしまう子供だっているだろう。色んな事情があってこうなるのはわかってはいるものの、私たちの身近に誰でも気軽に足を運べる懐の広い市営の施設があったのは本当にありがたいことだったと改めて痛感する。
2000円の自己負担で豪華な返礼品を受け取るために、縁もゆかりもない自治体へ住民税を払うふるさと納税が昨今は当たり前になっているが、それに必死になるあまり、自分が住んでいる自治体が貧しくなりこういった公共施設が消滅してしまうのは本末転倒なのではないだろうか。それに頼らざるを得ないほど国民の生活が苦しくなっているのに、そういう国民から血税を搾り取って己の私利私欲にだけ走ってるような政治家は自分さえ良ければこの状況なんてどうでも良いんだろうな。はぁ、やっぱり選挙に行くことは本当に大切だわ。
なんて、スマスイの民営化からこの国の政治の是非について考えてしまう始末。
話が逸れてしまったが、スマスイ、35年間、今まで本当にありがとう！楽しい思い出をいっぱい残してくれたスマスイ、ずっとずっと忘れないよ。
☆やコメントをくださる方々、いつもありがとうございます！毎日励みになっています。
はてなブログランキングに参加しています。はてな会員じゃなくても反映されるので☆の代わりに押してもらえると明日も頑張れます。
