夫が以前から観たがっていたONE PIECEの映画を観に出かけたので、息子と二人で家でのんびり昼寝をしていると、家のチャイムが鳴った。
「こんにちは！佐川急便です」
…最近なんか買い物したかな？記憶にないぞ。
「○○市ふるさと納税返礼品」と書かれたひんやりした箱を受け取った。
「冷凍のお荷物なんで、すぐに冷凍庫に入れてくださいね」と丁寧に伝えてくれ、配達員のお兄さんは風のように去って行った。
○○市は夫が年末に1kgの薄切り牛肉を頼んでいた自治体だ。それは二週間ほど前に届いたし、冷凍庫にも入ってる。
箱を開けて中を確認すると、以前届いた物と見た感じ全く同じ物が入っていた。
間違えて二回も同じ物を注文したのか？だとしたらワンストップ特例申請書(寄付した自治体から送られてくるこの書類を提出すると、確定申告なしに住民税の控除が受けられる)が２枚届くか倍の値段で記載されてるはずだが、確認したところそれはない。
だとするとシステムエラーで間違えて２回送ってきてしまったのか？自己負担額もあるとはいえ、税金が絡んだ品物を二重に受け取ってしまったら、どこかの県で誤送金を返さずに使い込んでしまった人の末路みたいにならないのか？
不安が募る。
もしかしたら私が知らないだけで、夫が気に入ったから年明けにもう一度注文した、という線もある。夫に聞きたいが映画を観ているため連絡できず、とりあえず肉を冷凍庫にしまった。以前届いた分もまだまだ残っていたので、冷凍庫が爆発しそうになほど牛肉に占領されてしまった。
数時間後、帰宅した夫に経緯を話したところ、彼はすぐに携帯でメールをチェックし始めた。
「あ！これや！ふるさと納税のサイトから連絡きてる！以前発送した物が米国産なのに豪州産って書いたシール貼っちゃってたから、訂正した商品送ります、やって！」
よかった〜。危うく夕方のニュース番組で「犯人の女は、誤配送の肉と知りながら自治体に連絡をせず、約1kgの牛肉を全てすき焼きにして食べたとして、警視庁に身柄を拘束されています」なんてアナウンサーが読んでる映像まで想像してたわ(こんな事件しかニュース取り上げることがないような平和な世の中になってほしいですね)
(っていうか、ふるさと納税の返礼品って外国産のお肉もあるのね)
記載ミスをしてしまった自治体が気の毒だし、税金が使われているため本当にいただいていいのだろうかという後ろめたさを感じたが、せっかく新しいものを送ってきてくれたので、一部を牛丼にして夕食にありがたくいただいた。
食後、夫が映画の帰りに買ってきてくれたパンダ焼とたい焼きを家族で食べた。パンダ焼とは近所のイオンのフードコードにあるたい焼き屋さんで売っているたい焼きの亜種である。たい焼きは中身があんこであるのに対し、パンダ焼きはカスタードが入っている。味は想像通りの味なのだが、パンダの顔がヘドラ(ゴジラに出てくる怪獣)に似ていてチャーミングで好きなのだ。おへそが謎に☆なのも味わい深い。
自分が予期せぬかたちで好物の食べ物をもらえると、ハッピー！という、至極当たり前のことに気付かされた日だった。日々の中の些細なことにも喜びを感じられることが、きっと人生の幸福度を上げるんだよなぁ。
