【日常】ちょっとした冒険

朝、洗濯物を干していると、先ほど仕事に行ったはずの夫から携帯に連絡が入ってきた。

「仕事に使うものを忘れてきてしまったので、昼休みに届けてくれないかな?」

このような連絡は過去にも何度かあり、その都度車で届けに行っていたが、今日は夫の昼休みまでまだまだ時間があったので、散歩がてら息子と職場まで歩くことにした。

 

夫の職場までは家から徒歩20分ほど。夫は毎日自転車で通っている。車で行けばものの10分くらいで着く(道が混んでるので、距離の割に時間がかかる)のだが、のんびり歩くのも悪くない。

息子に「父ちゃんにお届けもの渡しにお散歩行こうか」と言うと「父ちゃんのとこ行く!」とノリノリだったので、昼休みの時間を見計らって家を出た。

 

普段すぐに「だっこ」と言って歩かなくなるが、父ちゃんにお届けものを渡すというミッションを与えられているからか、きびきび歩き続ける息子。「父ちゃん♪父ちゃん♪父ちゃんに会いに行く〜」と口ずさんでいる。平日昼間に父ちゃんに会えるのレアだもんな。

道中、線路を跨ぐ大きな陸橋を渡らなければいけないのだが、数十段ある階段もスイスイ登り降りしていた。息子はその陸橋のことを「バイパシュ(バイパス)」と呼ぶ。どこで覚えたんだろ。

 

思いの外、息子がサクサク歩いてくれたので、昼休み開始時刻よりも15分も早く夫の職場に着いてしまった。職場の前で15分も潰すのは何か嫌だったので、周辺を散策していると、立派なお寺があったので、ちょっとお邪魔させてもらうことにした。

敷地はそんなに広くないものの、手入れが行き届いていて美しいお寺だった。徒歩圏内にこんな癒やしスポットがあったの知らなかったなぁ。車は便利だけど、徒歩でしか得られないこういう発見もあったり。
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かっこいい龍神様(?)がいらっしゃったので写真を撮らせてもらった。口から水が出るタイプの龍神様にしてはディテールが細かいのがかっこいい。

 

しばらくお寺を散策していると、昼休みに入った夫から連絡が入った。すぐに職場へ向かい、外まで出てきてくれた夫に忘れ物を届ける。ほんの数時間ぶりの再会だというのに「うわぁ!父ちゃんだ!父ちゃんだ!」と大興奮の息子。夫も「歩いてきてくれたん?ありがとうね」と息子の頭を撫でる。

役目を終えて帰ろうとすると「いやにゃん!父ちゃんのお仕事のとこ行く!父ちゃん!父ちゃん!とうちゃぁぁぁぁぁん!!!」と大号泣。まるで永遠の別れかのごとく泣き叫んでいるが、ものの数時間後に帰って来るんやで。

あまりの寂しがり様に心が傷んだが、さっき渡ってきた陸橋に差し掛かる頃には「バイパシュ、バイパシュ〜」とご機嫌になっていた。私も見習いたい、切り替えの早さ。

 

急遽訪れたちょっとした要件に、まるで冒険のようにノリノリで付き合ってくれた息子に感謝である。